老人保健施設の利用条件と老人ホームとの違い

老人保健施設とは、介護が必要な高齢者の自立を支援しながら、在宅療養や在宅復帰の支援などを行う施設のことです。長期的な入院生活があけた後から、自宅へ戻るまでの間に利用されるケースが多い傾向があります。老人保健施設は、厚生労働省によって明確な位置づけがされている公的な施設であり、入所すると、看護や介護の他に手厚い医療ケアなどを受けることが可能です。

老人保健施設とよく間違われる施設として、老人ホームがあげられます。老人ホームと老人保健施設の大きな違いは、老人保健施設が公的な施設であるのに対して、老人ホームは民間の事業者が運営している施設であるという点です。また、老人保健施設では、一定の医療ケア体制やサービス体制が整えられていますが、老人ホームの場合は事業者によって提供されるサービスに大きな差があります。

老人保健施設を利用するためには、65歳以上であること、介護保険の被保険者であること、そして要介護1以上の認定を受けなければなりません。ただし、特定疾患によって要介護認定をされている方に限り、40歳から64歳の方でもサービスを利用できます。

また、老人保健施設に入居する際の費用は、初期費用を必要としないという特徴があります。必要となる費用は月々の支払のみで、地域によって異なりますが平均として8万円から14万円ほどと言われています。低所得者の方でも安心して老人保健施設を利用できるように、所得額に応じた減免措置が設けられている点もポイントです。